暇なときにでも

日々起きた出来事やふと思いついたことを書きます。たまに本、映画、広告のことも。

もしも結婚前の挨拶をしに行った彼女の親がジブリオタクだったら

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父「それじゃあ、まずは自己紹介といこうじゃないか」

 

彼氏「はい。初めまして。娘さんとお付き合いさせて頂いている坂井と申します」


父「坂井…贅沢な名前だなぁ、今から君の名前は“坂”だ」

 

彼氏「え…?」

 

彼女「(いいから合わせて!)」

 

彼氏「はい!坂です!」

 

父「よろしい。それでは私も名乗らなくてはね。

 

ゴホンッ…。

 

我が名はヒロシ!!東の果てよりこの地へ来た!!」

 

彼氏「あ…はい」

 

彼女「家、東京から引っ越してきたんだ」

 

彼氏「そ、そうなんだ!」

 

父「時に坂君。肌の色がずいぶんと黒いじゃないか」

 

彼氏「いや、これは遊んでいるわけではなく日焼けしやすい体質でして…!」

 

父「さては祟り神から受けた呪いだね?とても邪な気配を感じるよ」

 

彼女「(合わせて!)」

 

彼氏「実は昔、地元の村を守るために…」

 

父「はっはっは、立派じゃないか」

 

彼氏「恐縮です…」

 

父「さてと、今日は私に言うべきことがあるんじゃないのかな」

 

彼氏「はい。

 

そうなんです。

 

お父さん。

 

…。

 

娘さんを僕にください!!」

 

父「…」

 

彼女「(もっとアシタカみたいに言わないと駄目よ!)」

 

彼氏「(え…?え…?)」

 

彼女「(娘さんをもっとアシタカみたいに!)」

 

彼氏「(はっ…!)

 

お父さん。

 

もう一度言わせてください。

 

…。

 

娘さぁぁぁぁんを僕にください!!」

 

父「そんなんじゃ森の奥深くにいるサンまで届かんぞ!」

 

彼氏「娘さぁぁぁぁぁぁぁぁぁんを僕に」

 

父「もっとぉ!!」

 

彼氏「娘さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」

 

父「誰のぉ!!」

 

彼氏「お父さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」

 

父「アレンジを加えてまとめるとぉ!!」

 

彼氏「お父さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんの娘さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんを僕にくださぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!」

 

父「黙れ小僧!!」

 

彼氏「(えぇ…)」

 

父「貴様に娘を幸せにすることができるのか?」

 

彼氏「何があろうと幸せにしてみせますよ!」

 

父「言葉では何とでも言える!どうせ今娘が着けてるネックレスも地元の女の子から貰った物を渡したんだろ!」

 

彼氏「そんなわけないでしょ!言い掛かりはやめてください!」

 

父「ならば聞こう。娘が猛獣に襲われている時、君はどうする!」

 

彼氏「助けるに決まってるじゃないですか!」

 

父「命に替えてもか!!」

 

彼氏「当たり前です!!」

 

父「命を粗末にする奴なんて大嫌いだ!!」

 

彼氏「どうすればいいんですか!!」

 

母「お父さん、さっきからこの部屋蚊が飛んでるわ」

 

父「ころせぇぇい!!」

 

彼氏「めちゃくちゃだ!今日はもう帰りますから!」

 

彼女「待って坂君!!ちょっとお父さんも止めてよ!!」

 

父「放っておきなさい、あんな盗っ人」

 

彼女「坂君は何も盗んでなんてないわ!!」

 

父「いや、奴はとんでもない物を盗んでいったよ。

 

…娘の心です」

 

母「ルル~ルルルルルル~。

 

幸せを訪ねて~私はゆきたい~」

 

父「いばらの道も~」

 

母「凍てつく夜も~」

 

父&母「二人で笑ってゆきたい~」

 

父「母さん…そなたは美しい。今夜どうかな」

 

母「40秒で支度しな」

 

娘「…何と気持ちのいい両親だろう」

 

~fin~