ヤギさんとゆうびんの物語
白ヤギさんからお手紙着いた~。
黒ヤギさんたら読まずに食べた~。
仕方がないのでお手紙書いた~。
さっきの手紙のご用事なあに~。
はい。
なぜ黒ヤギさんはお手紙を読まずに食べてしまったのか。
そしてそのお手紙に書いてあった内容とは。
気になりますよね。
というわけで嘘雑学シリーズ第二弾です。
みなさんも一度は聞いたことがあるでしょう。
今回は“ヤギさんとゆうびん”という歌に纏わる嘘雑学をご紹介します。
では、どうぞ。
~white side~
白ヤギさん「はぁ・・かっこよかったなー、あのヤギさん」
私はふと数時間前の出来事を思い出していました。
悪ヤギさん「いいじゃんちょっとぐらいさ~!」
白ヤギさん「やめて!離してください!」
悪ヤギさん「新鮮な紙が食べられる店知ってるからさ~!」
白ヤギさん「これ以上しつこくしたら警察呼びますから!」
悪ヤギさん「このッ下手に出てれば調子に乗りやがって!」
白ヤギさん「きゃーッ・・!」
悪ヤギさんが私に殴りかかろうとしたそのときでした。
?「その辺にしとけよ」
悪ヤギさん「な・・どうしてお前がこんなところに!?」
?「お喋りしてる暇はない。この場から消えるか、消されるか、どっちがいい?」
悪ヤギさんは血相を変えて逃げ去っていきました。
白ヤギさん「あなたは・・?」
?「言っただろ、お喋りしてる暇はないと」
そう言い残してそのヤギさんもどこかへ行ってしまいました。
~black side~
なぜ、あの子を助けてしまったんだ。
こんなことをしてしまったらもう
あの子を殺すことなんてできない。
~white side~
翌朝。
白ヤギさん「なんだろうこの黒い手紙・・宛名が書いてないみたいけど」
『君は狙われている。誰にも見つからないようにどこか遠くへ逃げるんだ』
白ヤギさん「なにこれ・・気味悪い・・」
その手紙は読んだ後すぐに食べました。
~black side~
おれはターゲットを殺る前は必ず三日間そいつの行動を観察することにしている。
おれに狙われるような連中は三日もあれば何かしら非道徳的な行動を取る。
ポイ捨て、信号無視、どんな小さなことでもいい。
それさえ確認できれば、おれは引き金を引くことができる。
でも、今回はだめだった。
あの子を観察していても誰かのためになるようなことばかりしていた。
そうゆうやつは殺せない。
殺したく、ない。
~white side~
その日は雨が降っていました。
白ヤギさん「やだもう、雨降るなんて聞いてないよ!」
私は傘を持っていなかったので家まで全力疾走です。
?「待て!君の家には近付くな!」
白ヤギさん「え・・」
振り返ると、あのとき助けてもらったヤギさんがいました。
白ヤギさん「あなたはあのときのヤギさん!」
?「おれの名は黒ヤギだ!黒い手紙を送ったのはおれだ!ここから早く逃げろ!」
白ヤギさん「言ってる意味がよく分かりません!ちゃんと説明して下さい!」
黒ヤギさん「そんな時間はない!とにかく駅まで走れ!」
黒ヤギさんが私の手を掴んで強引に走らせようとしたそのときでした。
白ヤギさん「ちょっと・・!」
銃声のような音が聞こえたと思ったら。
黒ヤギさん「いいから死にたくなかったら走・・」
目の前で、黒ヤギさんが、倒れたのは。
~black side~
その日は雨が降っていた。
最近の天気予報は当たらないな、などとボヤいといると携帯が鳴った。
同業者の青ヤギさんからだった。
青ヤギさん「ずいぶんのんびりと仕事をしているようですね」
黒ヤギさん「お前には関係ないだろ」
青ヤギさん「いやー実はですね・・」
誤算だった。
まさか契約期間中におれ以外のやつにも殺しの依頼をするなんて。
しかもよりによって青ヤギさんとは。
おそらく青ヤギさんはあの子の家で待ち伏せをするだろう。
あの子が家に帰る前におれがあの子を見つけないと。
~white side~
一瞬、何が起きたのか分かりませんでした。
でもすぐに私を助けてくれようとした黒ヤギさんが撃たれたのだと理解しました。
白ヤギさん「黒ヤギさん・・!!」
すると知らないヤギさんがこちらに近づいてきました。
銃であろうものをこちらに向けながら。
青ヤギさん「困りますよ黒ヤギさん、ターゲットを逃がそうとするなんて」
白ヤギさん「ターゲット・・?」
青ヤギさん「そうですよ、あなたは私たちから命を狙われている立場なんです」
白ヤギさん「私たち・・?」
青ヤギさん「私と、この、黒ヤギさんからです」
え・・黒ヤギさんは私を助けてくれようとしてたんじゃ・・。
白ヤギさん「いや・・いやぁぁぁぁぁ!!!!」
私は逃げました。
青ヤギさん「背中を向けるなんていい的ですよ」
パンッ。
そして今日二度目の銃声を聞きました。
~black side~
今まで何匹ものヤギを撃ってきたが自分が撃たれたのは初めてだった。
激痛で今にも意識が飛びそうだ。
「いや・・いやぁぁぁぁぁ!!!!」
あの子の声が聞こえる。
そうだ、まだ、死ぬわけにはいかない。
パンッ。
おれは薄れゆく意識の中で青ヤギさんの背中を撃った。
青ヤギさん「な・・まだ意識があったんですか・・!」
黒ヤギさん「背中を向けるなんて・・いい的だな・・」
おれにはもう、かゆい所をかくことすらできない。
青ヤギさん「さっさとくたばってくださいよぉ・・!!」
青ヤギさんがおれの頭に銃口を定めている。
それがおれの最後に見た光景だった。
~blue side~
わたしは黒ヤギさんの頭に銃口を定めていた。
こいつを始末した後すぐにあの小娘を追う算段をつけていた。
わたしの仕事は完璧だ、失敗などありえない。
裏切り者を始末するのに躊躇なく引き金を引いた。
はずなのに、記憶が、無い。
それどころか何故、わたしは刑務所にいるのでしょうか?
~white side~
私は恩人を見捨てようとしています。
黒ヤギさんはあの人が言っているように私を殺そうとしていたのかもしれません。
でも、命を張って私を守ってくれようとしたのが、私の見た、私の感じた、真実です。
その真実を無視するわけには・・いきません!!
えいッ!
大きめの石で青いヤギさんに一発おみまいしてやりました。
気絶・・かな・・?気絶・・だよね・・?そう!気絶です!
その後すぐに警察と救急車を呼びました。
~black side~
おれは今病院のベッドの上にいる。
青ヤギさんは軽傷で済んだらしく気を失ったまま刑務所に連行されたそうだ。
おれが連行されるのは全ての手術が無事に終わってからだと言われた。
あの子は警察に保護され厳重な警護の元、安全な生活を送っているらしい。
あぁ、そういえばいつの間に入れたのか胸ポケットにあの子からの手紙が入っていたんだった。
この手紙を読むべきかいまだに迷っている。
おれは殺し屋だ。
これ以上あの子と関わるわけにはいかない。
でも、この手紙を読んでしまったら決意が鈍ってしまうかもしれない。
いっそ読まずに食べてしまおうか。
~white side~
今日は黒ヤギさんとの面会を特別に許可してもらいました。
ちゃんとあの手紙読んでくれたかなー、でも恥ずかしいなー・・。
あぁもう!考えたってしょうがない!
私は黒ヤギさんの病室の扉を開きました。
~black side~
まさか面会に来るとは予想できなかった。
警察の粋な計らいということらしい。
余計なことをしてくれたもんだ。
白ヤギさん「黒ヤギさん!お体の調子はどうですか!?」
黒ヤギさん「まぁ、だいぶ良くなったな」
白ヤギさん「よかった!順調に回復してるみたいですね!」
黒ヤギさん「おかげさまで」
白ヤギさん「あ、あのー・・」
黒ヤギさん「どうした?」
白ヤギさん「手紙は読んでくれましたか!?」
黒ヤギさん「・・・」
白ヤギさん「黒ヤギさん・・?」
黒ヤギさん「読まずに食べちまった」
白ヤギさん「え・・えぇぇぇぇ!!食べちゃったんですか!?」
黒ヤギさん「あまりにも美味しそうだったからな」
白ヤギさん「もう・・恥ずかしがって損しました・・」
黒ヤギさん「でもあの手紙より美味い紙がある店、おれ知ってるんだよ」
白ヤギさん「・・・あ!黒ヤギさん意地悪すぎますよー!!」
そのときおれは、久しぶりに笑っていた気がする。
~white side~
『黒ヤギさんへ。
私のことを二度も助けてくれてありがとうございます。
P.S.
刑務所から出られたら、ご一緒にお食事どうですか?』
~fin~
長いわ!!
って自分でも読み返しながら思いました。
ではみなさん。
実は黒ヤギさんは手紙を読んでいたという嘘雑学。
明日にでも友達に教えてあげて何言ってんのこの人・・って目で見られてください。
ちなみに半分は本当の雑学なんですよ。
白ヤギさんの手紙にはお食事の誘いが書かれていたらしいです。
でもすでに食べた手紙でお腹がいっぱいだからまた今度にしようみたいなオチだったと思います。
それでは。
~??? side~
「私達だけでは白ヤギさんを守りきることができない。
君の力が必要なんだ・・黒ヤギさん」
――護衛任務のため釈放された黒き殺し屋――
「私はもう・・・逃げない!!」
――戦うことを覚悟した白き少女――
「流行りの服は嫌いかな?」
――復讐のため脱獄を果たした青き殺し屋――
「三分間待ってやる」
――迫りくる最強の殺し屋、赤ヤギさん――
≪なぜ白ヤギさんは狙われるのか≫
≪黒ヤギさんに秘められた過去とは≫
次々に明かされていく驚愕の真実。
そして物語はクライマックスへ。
「手紙の返事・・まだ・・してなかったよな・・」
「そんな・・いやだよ・・黒ヤギさぁぁぁぁん!!」
~comming soon ?~