暇なときにでも

日々起きた出来事やふと思いついたことを書きます。たまに本、映画、広告のことも。

そうだヨーグルト、買いにいこう

 毎朝食べているヨーグルトを切らしてしまい

 

近場のコンビニへ補充しにいくことに。

 

お目当ての品を見つけ手を伸ばそうとすると

 

「あっ…」

 

同時に隣にいた人も手を伸ばそうとしていました。

 

「すいません…」

 

そのヨーグルトは一個だけしか残っていませんでした。

 

「どうぞ、気にせず買ってください」

 

相手の人はとても真面目そうな女性でした。

 

「いや、そんな、悪いです…」

 

お互いに譲り合う形になってしまいました。

 

「僕の方がコンマ一秒遅かったんで」

 

「うーん…それじゃあ…」

 

強引なこじ付けでしたがなんとか納得してもらえたようでした。

 

気まずい感じになってしまったので足早に店を出ようとすると

 

「待ってください…!」

 

「…?」

 

振り返ると先程の女性がいました。

 

「やっぱり悪いんで…お、おひとつどうぞ!」

 

最初は何のことを言ってるのか分かりませんでしたが

 

おそらく三つでワンパックになっているヨーグルトを

 

一つおれに譲ってくれるのだろうと察しました。

 

「ありがとうございます」

 

断るのも野暮だと思い受け取ることにしました。

 

その後、奇妙な偶然と言うべきか、帰りの方向が同じだったので

 

二人並んで帰ることになりました。

 

しばらくの沈黙が続くと、相手の方から話題を振ってくれました。

 

「ヨーグルトお好きなんですか?」

 

「はい、お腹に優しいんで」

 

「…」

 

二秒で会話は終了しました。

 

でも、不思議と間はもっていました。

 

やがて、お別れの時間が迫ってきた頃

 

「あ、あの!」

 

「…?」

 

「あそこのコンビニはよく来るんですか…?」

 

「はい、家近いんで」

 

「私もよく使ってます!」

 

「じゃあまた会うかもしれませんね」

 

「はい!」

 

その日から、コンビニへいくのが少し楽しみになりました。

 

 …。

 

そんな出来事があるといいなと期待しつつヨーグルト買いにいってきます。

やる気なし部

とある学校のとある部活。

 

全国大会出場という夢に向けて血の滲むような特訓の日々。

 

その名も。

 

部長「おい!“やる気あるやつ”は帰れよ!」

 

『やる気なし部』

 

部長「どんなに誤魔化そうとしたってやる気あるやつなんてすぐに分かるんだよ!

 

ランニングのときにダルそうな掛け声で走ってたよな。

 

ほんとにやる気ないやつは口パク以上のことはやらないんだよ!

 

それに今日は猛暑日だってのに誰も水飲みに行かなかったよな。

 

のどが乾いたら喫茶店にでも入って小一時間はサボれよ!」

 

やる気なし部。

 

やる気を出すことの一切禁じられ、

 

やる気のなさが何よりも評価される部活である。

 

部長「だいたい大会までもう一週間切ってるんだぞ!

 

なんでこの大事な時期に全員部活に参加てるんだよ!

 

どう考えても今が一番のサボり時だろ!

 

そんなんで勝ち進めるほど大会は甘くないぞ!

 

全国大会常連校なんて今頃モンハンでもやりながら盛り上がってるはずだ!」

 

大会間近にも関わらずやる気満々の部員たちに部長が喝を入れていた。

 

部長「少しはエースの田中を見習えよ!

 

あいつは入部届けを出したっきり一度も見かけたことないぞ!

 

ほんとにこの学校の生徒なのかも怪しいくらいだ!

 

そもそもお前らには緊張感ってもんがな・・ゴホッ!・・ゴホッ!」

 

突然だった。

 

部長が、血を吐いて、倒れた。

 

一同「ぶ・・部長・・!!」

 

どうすればいいのか分からずうろたえだす部員たち。

 

そこに、一人の男が現れた。

 

?「落ちつけ!!保健室の先生はもう呼んである」

 

一同「あなたは・・田中先輩!!」

 

エースの田中先輩だった。

 

田中先輩「今日はお前らに言っときたいことがあって久々に学校に来た。

 

部長が倒れたのには理由があるんだ。

 

実は少し前から病気を患っていて医者から無理をしないよう念を押されていたらしい。

 

でも部長は今年のメンバーは粒揃いだからっていつにも増して気合い入りまくりでな。

 

ここ数日ライバル校のデータを集めて夜通し研究してたみたいなんだ。

 

その結果がこれだよ、ほんと人のこと怒ってる場合じゃないよな。

 

おっと、この話は部長から口止めされてるから内密にしてくれよ」

 

真実を知り、今までにはない熱い気持ちが湧きあがってきた部員たち。

 

田中先輩「まぁそうゆうわけだから、負けられないよな!!」

 

一同「ハイッ!!」

 

田中先輩「部長のためにも絶対勝つぞ!!」

 

一同「ハイッ!!」

 

田中先輩「行くぞ、全国!!」

 

一同「ハイッ!!」

 

大会当日。

 

田中先輩は急用を思い出したらしく会場には現れなかった。

 

そして部員たちのやる気は大会規定を大きく上回っていたため全員失格となった。

 

~完~

掴み取れ一番星、聞くんだA賞の声【後編】

一番くじの景品の内分け。

 

A賞…おっきいぬいぐるみ(2枚)
B賞・C賞…ちっさいぬいぐるみ(4枚)
D賞・E賞…ストラップ、ノート(たくさん)
F賞…指人形みたいなの(たくさん)

 

子どもが欲しがってるA賞への道のりは長く険しいのである。

 

さらに一番当ててはならないであろうF賞の数は約半分を占めてます。

 

いかにインポッシブルなミッションかがお分かり頂けただろうか。

 

おれはこのとき別のさらに重要なことについて考えていた。

 

“くじを引く順番”。

 

一番避けなくてはならないのはトリ(最後)だ。

 

何故なら前の二人が当てられなかった場合

 

期待感がまるで風船のように膨れ上がっていくからだ。

 

そしてその期待を裏切ったら最後“ボンッ”ですよ。

 

つまりおれは何としても一番目もしくは二番目にくじを引かなくてはならない!!

 

お父さん「あーD賞だって」

 

子ども「E賞だった!」

 

うぉぉぉぉい!!

 

早い者勝ち制なら先に言ってよぉぉぉぉ!!

 

おたくでは鍋やるときも肉類は早い者勝ちなんですかぁぁぁぁ!!

 

しかも何気に二人ともF賞は回避してるしぃぃぃぃ!!

 

お父さん「あとはお兄さんのだけだね」

 

子ども「がんばってお兄さん!」

 

おれ「任せてください。僕は幸運を吸い寄せるダイソンのような手を持つ男なんで」

 

子ども「吸引力の変わらないただ一つの!」

 

自らをさらなる窮地に追い込むことによって限界を超えた力を引き出す作戦です。

 

そしてついに

 

二人からの背負いきれない期待を背負って

 

おれの手が、箱の中へと、入れられた。

 

(ただくじを引くだけじゃ駄目だ)

 

(感じ取るんだ、A賞の呼吸を)

 

(石には石の呼吸が、草には草の呼吸が、A賞にはA賞の呼吸が!!)

 

(これだッ!!!!)

 

『そっちは違う!私はこっちよ!!』

 

そのとき、たしかに聞こえたんだ、おれを導いてくれるかのような声が。

 

(こっち・・?)

 

『もうちょい右!!』

 

(これかな・・?)

 

『その右斜め上!!』

 

(えぇ、よく分からないんだけど・・)

 

『えっと・・時計でいったら2時の方向!!』

 

(分かったぞ!これだッ!!!!)

 

『そう!それが私!おめでとう、後はその手を引き抜くだけよ!!』

 

(導いてくれてありがとう、A賞さん)

 

『え・・私の名前はFしょ・・』

 

スゥー・・・。

 

その後おれはビックバン土下座により事なきを得た。

 

きっとこれはお互い忘れられない出来事になっただろう。

 

あの子はおれの不甲斐なさを。

 

おれはあの子のまるで汚物を見るかのような目を。

掴み取れ一番星、聞くんだA賞の声【中編】

一番くじ

 

それは箱の中に無限に広がる宇宙空間に

 

ところ狭しと散らばった星たちの中から

 

自分が欲しいと思った光り輝く一番星を掴み取る。

 

言うなればそうゆう商品です。

 

そしてお父さんはそんなロマン溢れる一番くじの挑戦者に名乗り出たというわけです。

 

お父さん「どれが欲しいやつなの?」

 

子ども「おっきいぬいぐるのやつ!」

 

どうやらお目当てはA賞のぬいぐるみのようだ。

 

お父さん「じゃあこのくじを三回」

 

おれ「はい、ではこちらから三つお選びください」

 

お父さんが箱の中に手を入れようとした瞬間。

 

子ども「待って!!」

 

何が気に食わなかったのかお父さんを制止する子ども。

 

お父さん「なんだどうした?」

 

子ども「三人だからみんなで一枚づつ!」

 

状況を把握しようと頭をタケコプター並に回転させる。

 

なるほど。

 

まだこの子は小さいから算数ができないんだ。

 

君とお父さんを足しても二人にしかならないんだよ。

 

子ども「僕とお父さん!」

 

そうそう、1+1は2にしかならないんだ。

 

子ども「あとこのでっかい人!」

 

子どもは何かを指さした。

 

その指の先を辿ると一人の男がいた。

 

というかおれだった。

 

いやいやいやいや!!

 

店員がお客さんのくじ引いちゃうのはよくないんだって!!

 

なんか気まずい感じになっちゃうんだって!!

 

おれ「うーん…」

 

返答を渋っているとお父さんが口を開く。

 

おぉ!!あなたが味方になってくれたら百人力だ!!

 

お父さん「じゃあ、お願いしてもいいですか」

 

うわぁぁぁぁ!!

 

お父さんそこは「お兄さん困ってるだろ」でしょうがぁぁぁぁ!!

 

援護射撃かと思ったら完全に狙いはおれでしたぁぁぁぁ!!

 

こうしてお父さんと子どもとおれの三人は運命共同体となった。

 

果たして我らトリニティ(命名)はA賞のおっきいぬいぐるみを獲得することができるのか。

 

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こうなってしまわないことを切に願う。

 

(後編へ続く)

 

掴み取れ一番星、聞くんだA賞の声【前編】

とある書店のレジでの話。

 

この世の中を生き抜くために最も必要な“力”とは何だろうか。

 

知力…体力…精神力…権力…財力…。

 

これらはたしかに強大な力ではあります。

 

しかし“あの力”の前では全てが無力と化します。

 

では、その答えをお教えしましょう。

 

それは―――。

 

「休憩いってきまーす」

 

「いってらしゃい」

 

後輩が休憩に入りレジに一人残されたおれ。

 

その日は何も問題が起きない平穏な一日だった。

 

あの出来事が起こるまでは…。

 

暇すぎて自分の顔面を思いっきり鷲掴みにし続ければ小顔になれるんじゃないかという実験を試みていたところに一組の親子が来店した。

 

幼稚園児ぐらいであろうお子さんを連れたお父さんだった。

 

小さい子どもには笑顔で手を振ってあげるという接客を心掛けているのですが

 

それを華麗にスルーされたときの「あれ、なんか手首に違和感あるなー」的な空気を出して誤魔化すのには手慣れたものである。

 

その親子は一通り店内を見回った後にレジへと訪れた。

 

手には何も持っていない。

 

手ぶらだった。

 

一応補足しておくとお父さんが手をブラジャー代わりにしていたわけではない。

 

この場合は二つのパターンが予想される。

 

一つは商品の場所が分からないという問い合わせ。

 

そしてもう一つは“一番くじ”である。

 

お父さん「すいません、このくじを三回引きたいんですけど」

 

おれ「かしこまりました、少々お待ち下さい」

 

淡々とお会計を済ましていく。

 

そのときはまだ気付いていなかった。

 

さっきまでの平穏が、音を立てて崩れ去っていることに。

 

(中編へ続く)

うお座のための星座占い

今日のニュースは以上となります。

 

それでは最後に、星座占いの結果を見て今日も一日頑張りましょう!

 

『1位 うお座

 

おめでとうございます! !

 

1位はうお座のあなた!!

 

今日は何をやっても全てが上手くいく絶好調な1日!!

 

たとえ失敗しても周りの人からは怒られるどころかむしろ感謝されるよ!!

 

道に迷ってる人を助けてあげたらなんとお礼に五百万円貰えちゃうかも!?

 

気になるあの子が落ち込んでいる姿を見かけたら優しい言葉をかけてあげよう!!

 

それがきっかけで二人の距離は急接近の予感!?

 

ラッキーアイテムはあなたがうお座だってことが分かる物!!

 

これさえ身に付けておけば世界はもうあなたの物!!

 

『最下位 うお座以外』

 

ごめんなさ~い。

 

最下位はうお座以外のあなた。

 

何をやっても上手くいかない絶不調な1日。

 

もし失敗でもしようものなら周りからミジンコのように扱われるから気をつけて!!

 

でも運気を上げる方法もちゃんとあるから大丈夫!!

 

あなたのラッキーパーソンはうお座の人!!

 

道に迷ってもきっとうお座の人が助けてくれるはず!!

 

そのお礼に有無を言わさず五百万円を渡そう!!

 

そうすれば少しは運気を分けてもらえるかも!?

 

銀行から五百万円おろしておくことを忘れないように!!

 

上司から叱られてブルーな気持ちになってしまうかも。

 

そんなときはうお座の人が優しい言葉をかけてくれるはず!!

 

その後は四の五の言わさず猛アタックをかけよう!!

 

好きとか嫌いとか関係なく猛アタックをかけよう!!

 

人目をはばからずにとにかく猛アタックをかけよう!!

 

今こそ恋のジェットストリームアタックだ!!

 

カップルになればあなたの運気は急上昇の予感!?

 

すでにうお座以外の人と付き合ってる人は今すぐ別れよう!!

 

このように今日という日はうお座の人のおかげで成り立っています!!

 

もっとうお座の人を拝み奉りましょう!!

 

う・お・座!!う・お・座!!

 

うお座様ばんざーい!!!うお座様ばんざーい!!

 

きゃー!!うお座様こっち向いてー!!きゃー!!

 

・・・。

 

おれ「次はO型のための血液型占い見ないと」

最強カクテル go to heven

二人の先輩方と飲みにいったときの話。

 

一人は物静かでクールな先輩。

 

もう一人は話し上手で気配り上手な先輩。

 

お二人とも頼りになる先輩方なのである。

 

一件目ではそこまで飲まずに二件目のBARへと移動することに。

 

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イメージ図

 

見るからに怪しげな外装。

 

そんな外装からの予想を裏切らない怪しげな店内。

 

マスターもどこか怪しげ。

 

ここで何かとんでもないことが起こる。

 

その予感は見事的中することになる。

 

「この店で一番強いお酒を三つ」

 

席に着いた先輩の第一声。

 

なぜなのか。

 

なぜいきなりチャレンジ精神旺盛なのか。

 

もしかするとすでに先輩はこの店の瘴気に呑まれていたのかもしれない。

 

三人の前に置かれる三つのカクテル。

 

見た目の危険度はそれほど高そうではない。

 

だが自然界において油断は禁物。

 

見た目は可愛いくても中身が恐ろしいやつなんて山ほどいる。

 

先輩はマスターに問いかけた。

 

「これなんて名前なんですか?」

 

「………」

 

先輩の問いかけは空を切った。

 

ここではマスターとのコミュニケーションは禁止されているのだろう。

 

郷に入れば郷に従えというやつだ。

 

「それ、go to hevenですよ」

 

突如、別のお客さんから答えが返ってきた。

 

70年代ヒッピー風の恰好をした男だった。

 

やはり風貌も怪しげ。

 

「へぇー、go to hevenっていうんですか」

 

いや、感心している場合じゃない。

 

直訳すると『天国へ行け』

 

たぶん飲んだら天国行っちゃうやつだこれ。

 

「ゴートゥーヘヴンッ…!!ゴートゥーヘヴンッ…!!」

 

さっきのお客さんが謎のgo to hevenコールを始めた。

 

しかもノリ切れていない若干暗い感じが不気味さを際立出せている。

 

「ゴートゥーヘヴンッ…!!ゴートゥーヘヴンッ…!!」

 

先輩が不敵な笑みを浮かべグラスを持ち上げた。

 

そして一口。

 

くいっ。

 

 

 

…。

 

 

 

「ぽぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

ここで冒頭の先輩の説明を思い出してほしい。

 

物静かでクールな先輩。

 

訂正します。

 

物静かでクールだった先輩。

 

なぜか機関車になった先輩はトイレへと駆け込んだ。

 

「ゴートゥーヘヴンッ…!!ゴートゥーヘヴンッ…!!」

 

鳴り止まないgo to hevenコール。

 

もう一人の先輩も何かを諦めた顔をしてグラスを持ち上げた。

 

「先輩!今ならまだ引き返せます! 」

 

その言葉が先輩の心へと届くことはなかった。

 

そして一口。

 

くいっ。

 

 

 

…。

 

 

 

「星を…見てくる…」

 

そう言い残し店の外に出た先輩が戻ることはなかった。

 

後に店の前でボロ雑巾のように倒れ込んだ先輩が発見されることとなる。

 

「ゴートゥーヘヴンッ…!!ゴートゥーヘヴンッ…!!」

 

もう、駄目だ…。

 

おれも行くしかない…。

 

くいっ。

 

 

 

――――――ッ!!

 

 

 

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光に包まれていく。

 

どこか懐かしい感覚。

 

目を開くとそこは――――天国。

 

ここが、天国・・。

 

思っていたより黒を基調とした空間だ。

 

あと漫画読み放題。

 

ジュースも飲み放題でシャワー付き。

 

フリータイム1300円。

 

とても漫画喫茶のような天国でした。

 

それではみなさん。

 

お酒は無理をせずに楽しんでください。

 

おやすみなさい。

 

~後日談~

 

go to hevenについて調べてみました。

 

世界一のアルコール度数のスピリタスとそれに匹敵する強さのラッテ・リ・ソッチラを合わせた天にも昇るカクテル。

 

スピリタス:アルコール度数96

 

※ラッテ・リ・ソッチラ:アルコール度数75

 

なるほど。

 

この世には知らない方がいいこともありました。