暇なときにでも

日々起きた出来事やふと思いついたことを書きます。たまに本、映画、広告のことも。

やる気なし部

とある学校のとある部活。

 

全国大会出場という夢に向けて血の滲むような特訓の日々。

 

その名も。

 

部長「おい!“やる気あるやつ”は帰れよ!」

 

『やる気なし部』

 

部長「どんなに誤魔化そうとしたってやる気あるやつなんてすぐに分かるんだよ!

 

ランニングのときにダルそうな掛け声で走ってたよな。

 

ほんとにやる気ないやつは口パク以上のことはやらないんだよ!

 

それに今日は猛暑日だってのに誰も水飲みに行かなかったよな。

 

のどが乾いたら喫茶店にでも入って小一時間はサボれよ!」

 

やる気なし部。

 

やる気を出すことの一切禁じられ、

 

やる気のなさが何よりも評価される部活である。

 

部長「だいたい大会までもう一週間切ってるんだぞ!

 

なんでこの大事な時期に全員部活に参加てるんだよ!

 

どう考えても今が一番のサボり時だろ!

 

そんなんで勝ち進めるほど大会は甘くないぞ!

 

全国大会常連校なんて今頃モンハンでもやりながら盛り上がってるはずだ!」

 

大会間近にも関わらずやる気満々の部員たちに部長が喝を入れていた。

 

部長「少しはエースの田中を見習えよ!

 

あいつは入部届けを出したっきり一度も見かけたことないぞ!

 

ほんとにこの学校の生徒なのかも怪しいくらいだ!

 

そもそもお前らには緊張感ってもんがな・・ゴホッ!・・ゴホッ!」

 

突然だった。

 

部長が、血を吐いて、倒れた。

 

一同「ぶ・・部長・・!!」

 

どうすればいいのか分からずうろたえだす部員たち。

 

そこに、一人の男が現れた。

 

?「落ちつけ!!保健室の先生はもう呼んである」

 

一同「あなたは・・田中先輩!!」

 

エースの田中先輩だった。

 

田中先輩「今日はお前らに言っときたいことがあって久々に学校に来た。

 

部長が倒れたのには理由があるんだ。

 

実は少し前から病気を患っていて医者から無理をしないよう念を押されていたらしい。

 

でも部長は今年のメンバーは粒揃いだからっていつにも増して気合い入りまくりでな。

 

ここ数日ライバル校のデータを集めて夜通し研究してたみたいなんだ。

 

その結果がこれだよ、ほんと人のこと怒ってる場合じゃないよな。

 

おっと、この話は部長から口止めされてるから内密にしてくれよ」

 

真実を知り、今までにはない熱い気持ちが湧きあがってきた部員たち。

 

田中先輩「まぁそうゆうわけだから、負けられないよな!!」

 

一同「ハイッ!!」

 

田中先輩「部長のためにも絶対勝つぞ!!」

 

一同「ハイッ!!」

 

田中先輩「行くぞ、全国!!」

 

一同「ハイッ!!」

 

大会当日。

 

田中先輩は急用を思い出したらしく会場には現れなかった。

 

そして部員たちのやる気は大会規定を大きく上回っていたため全員失格となった。

 

~完~