暇なときにでも

日々起きた出来事やふと思いついたことを書きます。たまに本、映画、広告のことも。

飲食店の店長に求められる資質

昼食時で賑わうマクドナルドの店内。

 

お客さんは各々の話題に花を咲かせ盛り上がっていた。

 

しかし、一瞬。

 

人々の話し声は途切れ、静寂が辺りを包み込んだ。

 

一匹の“鳩”が店内に舞い降りたのだった。

 

まるで時が止まったかのような空間。

 

全ての人たちから視線を集める鳩。

 

その鳩が、突然に、暴れ始めた。

 

あらん限りの羽を撒き散らしながら店内を飛びまわる鳩。

 

さっきまでの楽しげな雰囲気からは想像も出来ない叫び声を上げながら逃げ惑う人々。

 

異常事態に気付き素手で鳩を追いかけまわす店員のお姉さん。

 

翼を持たない人間を嘲笑うかのように逃げまわる鳩。

 

「お姉さんがんばって!」

 

子供からの声援も空しく鳩が捕まる気配は無かった。

 

誰もが諦めかけたそのとき。

 

お姉さんの背後に怪しげな影が忍び寄る。

 

ぽんっと肩に手を置かれたお姉さんが後ろを振り返ると

 

店長「代わろう」

 

鳩の目をじっと見つめながら一歩ずつ距離を縮めていく店長。

 

すると、驚くべきことに鳩は逃げようとする素振りすら見せなかった。

 

鳩「あんたにだったら・・」

 

みたいにむしろ受け身の態勢に入っていた。

 

そして、とうとう人騒がせな鳩を捕獲することに成功した。

 

\ブラボー!/

 

\ナイス鳩キャッチ!ナイス鳩キャッチ!/

 

ハートキャッチプリキュア!

 

お客さんはスタンディングオベーションで店長を称えた。

 

店長は深く頭を下げ

 

店長「大変お騒がせいたしました」

 

との一言を残して去っていった。

 

まるで小粋なショーで見せられたかのような気分だった。

 

店長あんた一体何者なんだ。

 

もしやその鳩使いとしてのスキルを見込まれて今の店長の座まで上り詰めたのだろうか。

 

その真相を知る術はなかった。

 

そして鳩の羽が触れまくったハンバーガーを誰も食べようとはしなかった。