あの頃に忘れてきてしまったもの
来週の日曜日
ということで
大会前の調整のためミニ四駆専用のコースを貸し出している
横浜のトレッサへミニ四駆仲間の先輩と向かうことに。
実は自分のマシンを走らせたことがまだ一度もなかったので
昨日から楽しみで仕方がありませんでした。
まさかあんな無様な醜態を晒すことになるとは知らずに・・。
さっそく試しにコースで走らせてみようとすると
?「お兄さんたちもミニ四駆やってるんですか?」
おそらく小学校低学年ぐらいの子供が声をかけてきた。
おれ「最近始めたばっかりなんだけどね」
子供「へぇー、じゃあ僕と勝負してみましょうよ!」
ふっ。
いくらおれがミニ四駆初心者とはいえ
たかだか週に数百円程度のお小遣いしかもらっていないであろう君に
月に何万もの収入があるおれが負けるはずないじゃないか。
教えてやろう、身の程ってもんをな!
おれ「その勝負、受けて立とう」
こうして突如現れた子供とのレースが始まった。
~1分後~
おれ「うわーん(泣)」
誰がどう見てみも惨敗だった。
かつて無いほどの屈辱を味あわされた瞬間だった。
子供「次は一秒ハンデつけてやろうか?」
からのこのため口である。
勝負とは人をこうも簡単に変えてしまうものなのか。
おれ「五秒でお願いします」
子供「うーん、二秒だったらいいよ」
ふっ。
やはり世の中のことを何も分かってないおこちゃまだ。
おれがこっそり最速のモーターに変えたことに気付いていない。
教えてやろう、勝負の世界の厳しさってもんをな!
~1分後~
おれ「うわーん(泣)」
越えられない壁がそこにはあった。
もう頼りになるのはおれにミニ四駆を教えてくれた先輩しかいない。
おれ「先輩!どうか仇をとってください!」
先輩「おう、任せとけ!」
そして先輩と少年との最後の決戦が始まった。
~1分後~
先輩「うわーん(泣)」
おれ「うわーん(泣)」
情けない大人二人組の図が完成した。
その後おこちゃまとは一緒にレースしたり情報交換できるぐらいに仲良くなれました。
それで話をしていく内に思いました。
きっとこの子は純粋にミニ四駆が好きで
他のことを我慢してでも強いパーツを買ったりしてきたんだなと。
そうゆう気持ちって大人になるにつれて薄れていきますけど
もっと大切にしないといけないものなんだと思います。
子供のお母さん「そろそろ帰るわよ―」
子供「はーい、お兄さんたちまたね!」
おれ・先輩「またなー」
・・・。
おれ「あの子のお母さん可愛かったですね」
先輩「それ、思ったわ」
こんな汚れきった大人になってしまわないことを切に願います。