鈍行電車でゆくひたすら北を目指す旅⑤(札幌~旭川)
~5日目~
そこに広がるは大都会、札幌。
この旅中で断トツの栄えっぷりです。
とにかくいろんなお店がひしめき合ってました。
レジャー、飲食、居酒屋、ホテル、何でもござれですよ。
そんな風景に感動しつつこの日やるべきことを確認。
最初の目的地へ出発!
ベタ中のベタこと時計塔。
噂にたがわぬ何も無さでした。(失礼)
ただ、内部に展示されていたこの振り子時計は見れてよかったです。
続いて向かったのは鮭専門店の丸亀さん。
実は食べ物の中でも頂点に君臨するんじゃなかってくらい鮭が好きなんです。
毎朝、鮭でも文句言いません。
店内はほんとに鮭しか売ってませんでした。
もし自分が熊だったら暴れ狂ってたところです。
お目当ての品があり店員さんに「例のブツありますか?」と尋ねると。
「ちいとばかし値が張るよ」とのこと。
たしかにそれなりの値段でしたが背に腹はかえられないと購入を決意。
それがこちら。
時不知(ときしらず)っていいます。
川を遡る時期が他の鮭とは違って、絶妙な脂の乗り方をしているらしいです。
さすがに調理はできないので自宅に郵送しました。
あと鮭児ってやつも食べてみたかったんですが、値段が尋常じゃなかったので断念。
その後はGARAKUというスープカレーのお店でお昼ごはん。
これが最強に美味かったです。
40分並びましたがその価値はあります。
駅からも近いので機会があればぜひお試しあれ。
そして、午後にやったことは諸事情により割愛します。
この部分に関しては友達限定で実際に会ってしか話せない土産話って感じです。
そんなこんなで夜ご飯の時間まで飛びます。
札幌での夜ご飯といえば、そう、イクラ丼です。
極上のイクラ丼を求めて海味はちきょうというお店に。
ここで予期せぬ恐ろしいことが起こりました。
席に着くと隣にはイケイケな大学生グループ。
先に注文していたらしくそのテーブルに丼ブリが運ばれてきました。
でも、イクラが乗っていない。白飯だけだったのです。
すると店員さんが。
「これからおいさーという掛け声と一緒にイクラをよそいでいきますので!」
なるほど、そういうシステムなのか。
「おいさーの掛け声はお客さんもご一緒にお願いします!」
いやいや、お客さん参加型なの!?
「いきますよー!」
・・・!!
店員さん「おいさぁぁぁぁー!おいさぁぁぁぁー!」
大学生グループ「おいさぁぁぁぁー!おいさぁぁぁぁー!」
え、爆音上映会?ってくらいの絶叫。
「はーい!ありがとうございまーす!」
なんてこった。
友達と来てるならまだしもお一人様でこのノリはきつい。
なんとか回避できないものかと思考を巡らせるも店員さんに肩をぽんと叩かれ。
「次、お客さんですから(にっこり)」
おわった。
自分はイクラというエサに食いつき、もう釣り針からは逃れられない。
魚が自らの運命を悟るときもこんな気持ちなのだろうか。
無慈悲なる店員さんが白飯をテーブルに運んでくる。
「それじゃあいきますよー!」
アーメン。
店員さん「おいさぁぁぁぁー!おいさぁぁぁぁー!」
自分「お、おいさ・・・」
大学生グループ「おいさぁぁぁぁー!おいさぁぁぁぁー!」
・・・!?・・・!?
一瞬、何が起きたのか分かりませんでしたが、すぐに状況を理解。
隣の大学生グループがおいさーに乱入してきました。
俗にいうセッションおいさーです。
この流れに身を任せておけば事なきを得られる。
そう考えた瞬間、視界がブラックアウト。
~20年後の世界~
息子「お父さんはおいさーを他人に任せたりなんかしないよね?」
自分「・・・」
息子「もちろんかっこよくおいさーを決めたんだよね?そうだよね?」
自分「・・・すまん。父さんな、おいさーから、逃げたんだ・・・」
息子「嘘、だよね・・・?」
自分「・・・」
息子「見損なったよ!もうお父さんなんて信じられない!」
自分「息子ぉ・・・息子ぉぉー!!」
~現在~
そんな夢を見たような気がする。
ここで退いたら・・・未来の息子に会わす顔がない!!
おいさ・・・おいさー・・。
おいさー・・・!おいさー・・・!
「おいさぁぁぁぁー!!!!おいさぁぁぁぁー!!!!」
店員「こんなおいさーは初めて見た・・・!」
大学生グループ「すげぇ・・・!」
どうだ・・・父さん・・・やったぞ・・・。
そして食後の余り時間に旭川まで移動。
こうして無事に5日目は終了しました。
ちなみにこちらがマックスまで山盛りにしたイクラ丼です。
めちゃうまでした。
次回、最終回『旅人、北の大地に散る』
お楽しみに。