暇なときにでも

日々起きた出来事やふと思いついたことを書きます。たまに本、映画、広告のことも。

身の毛もよだつ西武池袋百貨店の話【前編】

みなさんはトイレを使ったことはありますか。

 

そりゃもちろんありますよね。

 

日常生活において必要不可欠なトイレ。

 

でもね、トイレって、“でる”んですよ。

 

これは後輩が実際に体験した話らしいんですけどね…。

 

後輩Sからの投稿

 

『トイレおじさん』

 

その日、池袋をぶらついていた後輩Sは急な腹痛に襲われたそうだ。

 

辺りを見回して目に付いたのは、西部池袋百貨店。

 

一刻の猶予も許されないSはここでトイレを借りることにした。

 

こういう時は“個室は全て使用中”というのがお約束の展開。

 

しかし、幸運にも個室のトイレは空いていた。

 

公共の場で限界を迎えるという大惨事を回避でき安堵するS。

 

すると個室の扉の前に何やら人がいるような気配を感じた。

 

下の隙間に目線を移すと足が見えた。

 

誰かが個室が空くのを待っているのだろう。

 

Sはそう思った。

 

と、次の瞬間。

 

ドンッドンッドン!!

 

ドンッドンッドン!!

 

突然、扉を叩く音が鳴り響く。

 

それも叩かれいるのはSの個室の扉だった。

 

ドンッドンッドン!!

 

ドンッドンッドン!!

 

扉を叩かれ続けることに恐怖を感じたSはたまらず返事をした。

 

「入ってまーす!」

 

ドンッドンッドン!!

 

ドンッドンッ・・・。

 

止まった。

 

やっと諦めたのか。

 

さすがにもういないだろうと下の隙間を確認してみると。

 

足。足。

 

また、足が見えた。

 

まだ、いる。

 

早く用を足してこの個室を譲るべきだ。

 

本能がSにそう訴えかける。

 

ん?

 

何だ?

 

え、え、何で!?

 

目の前で起きた信じられない出来事に思考は遮られた。

 

状況が理解出来ない。

 

いや、理解などしている場合ではなかった。

 

まるで、魔法のように。

 

まるで、見えない力が働いているかのように。

 

扉の鍵が、一人でに、開かれようとしていた。

 

後編に続く。