高速の坂田
不良A「この前、隣の組に転校してきたやつ、知ってるか?」
不良B「知ってるよ、坂田ってやつだろ」
不良A「そうそう、“高速の”坂田」
不良B「高速?なんだよそれ」
不良A「そこまでは知らないか。
なんでもそいつの動きはとにかく高速らしいんだ」
不良B「意味分かんねぇよ」
不良A「すばしっこいとかそうゆうレベルじゃなくてな。
坂田が本気で走ると目にも止まらぬ速さでほんとに消えるらしい」
不良B「化物かよ坂田って野郎は…」
不良A「でよ、その坂田が最近調子に乗ってるみたいなんだよ」
不良B「そりゃ一回しめてやらないとな」
不良A「だろ?でも問題なのが相手が高速ってことだ」
不良B「もし本当にそこまで人間離れしたやつなら返り打ちにあうかもな…」
不良A「だが安心してくれ、昨日完璧な坂田対策を考えてきたんだ」
不良B「まじかよ!どんな作戦なんだ?」
不良A「いいかよく聞け…坂田の靴に重りを仕込んでおくんだ
そうすればいくら坂田でも高速では動けないはずだ」
不良B「おい…お前…今世紀最大の天才かよ!!」
その翌日。
校舎の裏に潜む怪しい影が二つ。
不良A「たんまり仕込んできてやったぜ」
不良B「これで坂田も終わりだな」
~30分後~
不良A「全然来る気配ないな…」
不良B「もうジャンプ読み返すのも飽きたわ…」
一向に姿を現さない坂田。
二人が諦めかけていたその時だった。
?「おぉー!お前らこんなところで何やってんだ?」
不良A・B「C先輩!!」
不良C「おう!久しぶりだな!」
不良A「坂田って転校生をしめてやろうと待ち伏せてたんですよ」
不良C「もしかしてそれって高速の坂田のことか?」
不良B「そうです!先輩も知ってるんですか?!」
不良C「高速の坂田って言えばこの学校では有名な怪談話だからな」
不良A・B「怪談話…?」
不良C「昔、この学校の陸上部に坂田っていう全国区レベルの生徒がいたらしい。
でも運悪く交通事故に遭ったのが原因で最後の大会に出られなかったそうだ。
そのまま坂田は卒業したんだがその無念の感情だけが学校に残っていまだに練習を続けてるんじゃないかって言われるようになったんだ。
それが少しづつ内容を変えながらも今まで伝えられてきたんだよ。
お前らが聞いたのはこんな噂じゃないか?
坂田って転校生が来たらしいらしいぞ。
そいつは動きが高速すぎて目で視ることはできないみたいだってな」
不良A「じゃあおれたちが待ってた坂田は…」
不良B「実際にはとっくの昔に卒業してたってことですか…」
不良C「ははは!そうゆうことだな!」
ねぇ…。
不良A「帰るか…」
ねぇ…。
不良B「おう…」
ねぇ…。
な ん で さ っ き か ら 僕 の 話 ば っ か り し て る の ?