暇なときにでも

日々起きた出来事やふと思いついたことを書きます。たまに本、映画、広告のことも。

人生で初めて逆ナンされたと思ったら地獄だった話

場所は某カフェのチェーン店。

 

その瞬間は何の前触れもなく訪れました。

 

おれが寝ぼけながら店内の空いている席を探していると

 

見知らぬ女性がこちらに近づいてきました。

 

何だろうと身構えると、その女性から声をかけられました。

 

女性「あのー…」

 

おれ「…?」

 

女性「突然ですいません…」

 

おれ「…」

 

女性「お友達になってくれませんか…?」

 

妄想ではありません。

 

繰り返す、妄想では、ありません。

 

おれ「…!」

 

あまりに突然の出来事に面食らって固まりました。

 

女性「…」

 

どうやら返事を待っている様子の女性。

 

生粋のトゥーシャイシャイボーイであるおれはこう考えました。

 

これは何かの罠なんじゃないかと。

 

ここではい喜んで!なんて答えたら

 

体を磁石にされて最終的にびちくそ呼ばわりされるんじゃないかと。

 

という勘繰りはさておき。

 

やっぱり話したことない人からの好意って怖いです。

 

正直、嬉しいよりも怖い気持ちがまさってました。

 

そんなわけでお断りすることにしました。

 

おれ「すみません…」

 

女性「こちらこそすいませんでした…」

 

本来ならこの話はここで終わっていいはずの話でした。

 

しかし、まだ続きがあるんです。

 

ここから恐怖のどん底に突き落とされることになります。

 

その後、おれが着いた席は先程の女性のすぐ隣の席でした。(そこしか空いてなかったので)

 

とんでもなく気まずかったのですぐにコーヒーを飲んで店を出ようと思いました。

 

ところが、その考えは間違っていました。

 

コーヒーなんて飲んでる場合ではなく一目散に店から出るべきだったんです。

 

おれが一心不乱にコーヒーを飲み続けていると一人の男性が店にやってきました。

 

とりあえずこの男性はかなりの“マッチョメン”ということを覚えておいてください。

 

これで役者は揃いました。

 

おれに声をかけてきた女性。

 

片手でリンゴを握りつぶしそうな男性。

 

コーヒーがぶ飲み中のおれ。

 

では、まず状況を説明しましょう。

 

おれと女性の席はほとんど隣と言っていいです。

 

男性はコーヒー片手に誰かを探しています。

 

一体誰を探しているのか。

 

もちろんおれにはそんなことを気にしてる余裕はないです。

 

なんて言っていられなくなる程の超展開がその直後に起こりました。

 

男性「お待たせ」

 

女性「全然待ってないよー」

 

男性は女性の前の席に座りました。

 

…。

 

そうだ!きっとお父さんだ!

 

しかし、話の内容を聞いていると徐々に真実が見えてきました。

 

どうやらお二人はお付き合いされているようでした。

 

相手がいてもああいうことするもんなのかと疑問に思っていると

 

女性が突如信じられないことを言い放ちました。

 

女性「さっき男の人ナンパしたんだけど断られちゃった」

 

男性「えっ!?」

 

おれ(えっ!?)

 

心臓止まるかと思うぐらい驚愕しました。

 

それ、言っちゃっていいのかと。

 

男性「は?なんだよそれ」

 

当然その後の二人の間には険悪なムードがたちこめます。

 

二人というか、三人というか。

 

男性「お前がナンパとかするならおれも同じことするからな!」

 

もはや男性は爆発寸前です。

 

これ以上はおれも関わりたくなかったので

 

トムとジェリーを思い浮かべながら必死に意識を逸らしていました。

 

しかし、すぐ隣の地獄からは逃れることができませんでした。

 

男性「あーその断った男まじでぶっ飛ばしたいんだけど」

 

ん…?

 

なんだ…?

 

おれの理不尽センサーがびんびん反応している。

 

脳内ボイスレコーダーを巻き戻してもう一度再生してみる。

 

男性『あーその“断った男”まじでぶっ飛ばしたいんだけど』

 

え…?

 

断った男…?

 

誰だか知らないけどぶっ飛ばされるされるなんてかわいそうな男だ。

 

…。

 

………。

 

………………。

 

うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

 

ぶっ飛ばされる男っておれだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

 

わけがわかりませんって!!

 

手を出してぶっ飛ばされるならまだ分かりますよ!!分かりませんけど!!

 

でも断ったのにぶっ飛ばされるってどうゆうことですか!!

 

どちらかのロープは天国に通じています。

 

はずれのロープを選んで下に落ちてしまえばもちろん地獄行き。

 

ただしロープはどちらも糸こんにゃくです。

 

みたいな!!!!

 

こうゆうときほど慌ててはいけないとばっちゃが言っていました。

 

まだおれには生命線が残されているのです。

 

男性はおれがすぐ近くにいるということに気付いていません。

 

場所的にはおれのすぐ斜め前に男性が座っているといった構図です。

 

状況を整理しましょう。

 

二人が座ってるのは出口側なので今すぐで帰るということはできません。

 

なにしろ女性の行動が全く読めないので

 

おれが下手に動いて女性が何かしらのアクションを起こしてしまえばそこで

 

ジ・エンド・オブ・おれです。

 

二分でボロ雑巾にされる自信があります。

 

つまりおれが生きるか死ぬかは女性に手に掛かっているというわけです。なぜか。

 

男性のすぐ斜め前にいながら平常心を装い息を潜めます。

 

その距離、1mないです。

 

間違いなく、拳の届く距離。

 

まさしく、死の間合い。

 

…。

 

いづれやってくるであろう脱出のチャンスをじっと待ちます。

 

すると、男性がトイレのために席を立ちました。

 

道は開かれた!今しか!今しかない!

 

急いで荷物をまとめると目の前に先程の女性が立っていました。

 

女性「早く逃げた方がいいかもしれません…」

 

おれは心の中で叫びました。

 

でしょうね!!!!

 

それからは風のように店から出ました。

 

今回の件から得られた教訓。

 

逆ナンほど恐ろしいものはない。

 

ぶっ飛ばされたくなかったら断るだけでなく

 

全力でその場から立ち去るべし。

 

以上。