本当にあったら怖い話
今回は創作ホラーです。
自分で考えといてなんですが無茶苦茶怖いです。
前置きはしましたからね。
それではどうぞ。
『こっくりさん』
これは私の友達から聞いた話なんですけどね。
ある日の仕事終わりに同僚四人で集まって話してたらしいんです。
そしたら…。
里美「ねぇ!こっくりさんやろうよ!」
山田「なんだよ突然」
山本「お!懐かしいな!」
里美「いいじゃん!実はもう用意もしてきたんだ~」
鈴木「どんだけやりたかったんだよ(笑)」
里美「じゃあみんな十円玉の上に指を置いて!」
山田「めんどくせー」
山本「まぁ暇潰しには丁度いいんじゃね?」
鈴木「こいつは一度言い出したら聞かないからな」
里美「せーの」
里美、山田、山本、鈴木。
こうして、四人の指が十円玉の上へと置かれた。
これが地獄への入口だったとはまだ誰も気付いていない。
ある一人を除いて…。
山田「質問は何にするんだ?」
山本「どうせそれも何か考えてあるんだろ?」
里美「ふふふ~」
鈴木「準備万端すぎる(笑)」
里美「最初の質問いくね!」
山本「よし!なんでも来い!」
里美「私ね・・・実は“できちゃった”みたいなの」
山田「!?」
山本「!?」
鈴木「!?」
里美「それでね、相手は誰なのかな―って。
本当はもう分かってるんだけど、
念のためこっくりさんにも聞いておこうと思って」
山田「じょ、冗談だろ?」
里美「冗談でこんなこと言わないんですけど」
山田「・・・」
山本「いや、やめとこーぜ!」
鈴木「そ、そうだな!もっと明るい質問の方が盛り上がるって!」
里美「君達がやりたくなくても私はやりたいなー。
それに私はこの質問が一番盛り上がると思うなー。
どうしてもやりたくないなら私にも考えがあるんだけどなー」
鈴木「とりあえずやってみるか!」
山田「そうだな!とりあえずな!」
山本「とりあえず、な!」
里美「それじゃあさっそく始めるね!
・・・。
すーっ。
・・・。
すーっ。
・・・。
すーっ。
十円玉は静かに、ゆっくりと、着実に動いている。
そして・・。
『や』
山田「・・・」
山本「・・・」
里美「最初の文字は“や”みたいだね」
鈴木「なるほどな」
山田「おい!なんだよその目は!」
鈴木「いいから次いこうぜ」
山本「ずるいぞ!一人だけ安全圏に入ったからって!」
里美「そうだよね、次々」
山本「だからッ・・・」
里美「だから何?やめる?
こっくりさんに質問したら途中でやめたらいけないんだよ。
ちゃんと 最 後 ま で 責 任 持 っ て やろうよ」
山本「・・・はい」
・・・。
すーっ。
・・・。
すーっ。
・・・。
すーっ。
再び十円玉は動き始める。
そして・・。
『ま』
鈴木「まぁ順当だな」
里美「二文字は“ま”だったね」
山田「・・・」
山本「・・・」
山田「あ!忘れてた!まだ仕事残ってたんだ!」
山本「おれもおれも!」
里美「あー来週の社内報の内容が楽しみだなー」
山田「そうだ!たしか田中に任せたんだった!」
山本「おれも田中に任せた気がしてきた!」
里美「それじゃあ、三文字目だね」
鈴木「かしこまりました、里美様」
・・・。
・・・。
・・・。
十円玉は動き始めなかった。
鈴木「お前ら、十円玉を動かせないように力入れてるだろ?」
山田「(うぉぉぉぉぉぉぉ!!)力抜けよ山本、見苦しいぞ」
山本「(だらぁぁぁぁぁぁ!!)は?力入れてんのはお前だろ、もう潔く諦めろよ山田」
里美「二人ともちゃんと受け入れなきゃ駄目だよ。
自 分 の 運 命 と 浅 は か さ を さ 」
山田「・・・」
山本「・・・」
ガチャッ。
上司「おい!仕事終わったんなら早く帰れ!」
山田「あ、すんません!」
山本「もうすぐ出ますんで!」
上司「電気消し忘れんなよ!」
バタンッ。
山田「あ・・」
山本「あ・・」
十円玉はいつの間にか移動していた。
『も』
山田「そうだと思ったんだよ」
鈴木「やっぱりお前だったか」
山本「ちょっと待てよ!山本なんてよくある名字だろ!」
里美「同じ部署なんだけどなー」
山田「たしかうちの部署に山本ってお前一人だよな」
鈴木「そう言えば他部署でも山本って聞いたことないな」
山本「なんだよ二人して!探せば一人くらい・・!」
里美「いないよ。この会社には山本って名字は一人しかいないんだって」
鈴木「男だろ、ちゃんと責任取れよな」
里美「・・・」
山本「・・・」
山田「・・・あれ?」
鈴木「・・・ん?」
山本「十円玉がまだ動いてる・・?」
・・・。
すーっ。
・・・。
すーっ。
・・・。
すーっ。
『と』
『の』
『ひ』
『だ』
『り』
『ど』
『な』
『り』
山田「やまもとの」
山本「ひだりどなり?」
鈴木「って誰?」
里美「おまえだ」
「男 だ ろ 、 ち ゃ ん と 責 任 取 れ よ な」
それから数カ月後。
里美の名字は鈴木になったそうです。
これはただの私の推測なんですけど。
ほんとに里美って人はしてたのかな・・。
・・・妊娠。