力を得るための代償
みなさんはダッハブルという儀式をご存じでしょうか。
最近後輩に教えてもらって試しにやってみたところこれは
“悪魔と契約するための儀式”
であるということが分かりました。
とりあえずその手順を簡単にご紹介します。
最寄りのコンビニの店員さんに
「儀式に必要な物を揃えに来た」
とだけ聞けば売り場に案内してくれるはずです。
全身を黒いローブに身を包めばすぐに分かってもらえると思います。
二つとも手元に揃えることができたらいよいよ儀式の始まりです。
このとき、持つ手を逆にしてしまうと何が起こるか分かりません。
大変危険ですので最善の注意を払って下さい。
準備ができたら両方共いっきに口の中へ流し込みます。
これにて儀式は完了です。
先日、徹夜続きの仕事中、このままだと眠気のあまり美人なお客さんの見積もりを無意識に8割引きとかにしてしまいかねない状態だったのでこの儀式を頼ることにしました。
実際にやってみると眠気は覚めるわ全然疲れないわで、今ならSASUKE第三ステージぐらいまでは突破できるんじゃねと思えるぐらいハイテンションになるわけですよ。
しかし、浮かれているのも束の間、異変は突然起こり始めます。
まずは異常なまでの眠気に襲われ意識が遠のき
さらに立ってるだけでしんどくなる程の疲労が溜まり
最終的にお父さんとお母さんが優しく微笑みかけてくる幻覚が見えてきます。
そんなことがあったりなかったりでその日のバイトは散々でした。
今振り返って考えてみると、ダッハブルとは一時の力を得る代償として、魂的なものを徴収されてるんじゃないかという結論に辿り着きました。
なのでダッハブルは自分の中で禁断の儀式として封印することにしました。
次にこの儀式を行うのは大切な人を守るときになると思います。