TUTAYA譲り合い戦線
TUTAYA。
表向きにはDVDをレンタルするための場所とされています。
しかしその水面下では壮絶な心理戦が繰り広げられる戦いの場でもあるのです。
きっかけはそう、とあるアニメのDVDを借りようとした時のことでした。
友達から勧められたDVDを借りるためTUTAYAへと向かいました。
いざ借りようとすると一巻のケースが空になっていました。
どうやら誰かが先に借りていたようです。
この人物を仮にAさんとします。
レンタルのDVDはいっきに見たい派なのでAさんには申し訳ないと思いつつも
先に二巻を借りておいてAさんが一巻を返却しても続きを借りられないようにしました。
これをTUTAYAテク“封じ手”といいます。
こうすることによりAさんのペースに合わせる必要が無くなり
かつおれがまとめて見てすぐに返却すればAさんにそこまで迷惑はかかりません。
これぞ平和的解決法というやつです。
数日後。
そろそろ一巻が返却されているかと様子を見に来ると。
予想外のことが起きていました。
一巻がまだ返却されていない。それどころか三巻も借りられていた。
おそらくAさんはおれの封じ手に気付いて一巻を返さずに三巻を借りることで封じ手を返してきたのです。
ちなみにこれをTUTAYA高等テク“ハンムラビ法典”といいいます。
これが何を意味するかお分かりでしょう。
Aさんからの宣戦布告です。
私より先に最終回を見ることは許さないという。
ここで逃げるは男にあらず、受けて立とうその勝負!!←先に仕掛けた人。
血で血を洗う争いの始まりでした。
おれはこの戦いに負ける気は一切していませんでした。
それは最大のレンタル期限は一週間という絶対のルール。
最初に一巻を借りたのはAさんです。
つまり先にAさんが一巻を返さなければいけない状況が必ずやってきます。
そこで勝負は決します。
あとは同じ要領で三巻も手に入れられるというわけです。
それからは毎日のように一巻が返却されているかチェックしていました。
しかし一向に一巻のケースは空のままでした。
そうこうしている内におれの所持している二巻の期限がきてしまいました。
おかしい…。
こっちの期限が先に切れるなんてありえない…。
こ、これは…まさか!!
TUTAYA禁断のテク“エンドレス・レンタル”(延滞料金を払う気)か!!
Aさん、あんたの覚悟には負けたよ。
そこまでされて二巻を譲らないのは野暮ってもんです。
そっとレジに二巻を置いたときの気持ちは不思議と清々しかった気がします。
数日後。
今だに一巻は返却されていなかった。
あれ、Aさん?もう戦いは終わったんだよ?
嫌な予感がした。
でも、店員さんに確かめてもらわずにはいられなかった。
おれ「あのー、これの一巻って…」
店員さん「あー、こちらは一年以上も前にお客様に貸し出している物のようですね…」
おれ「とゆうことは…」
店員さん「おそらく返却されることはないですね…」
えぇぇぇぇAさぁぁぁぁん!!
今回の件から得られた教訓。
争いからは何も生まれない。
譲り合いの心を大切に。
借りた物はちゃんと返す。
以上。