怪人猫男現る【事件編】
深夜1時。
夜も更けてきた頃。
人気のない道を一人で歩く女。
その後ろには自転車に乗った男。
女は男の存在に気付いていない。
徐々に狭まっていく二人の距離。
まだ女は男の存在に気付いていない。
声を発すればお互いに気付くであろう距離にまで二人は接近した。
とうとう女は異変に気付いた。
後ろから男の鼻歌が聞こえたのだ。
男「ふんふんふ~ん」
恐る恐る、ゆっくりと、後ろを振り返る女性。
女「きゃ・・きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
女は悲鳴を上げた。
男に襲われそうになったわけではない。
男が何かを盗もうとしたわけでもない。
男が露出してはいけないものを露出したわけでもない。
男は何もしていないのだ。
では何故女は悲鳴を上げたのか。
見てしまったからだ。
通常ではありえないものを。
見てしまったからだ。
男の頭から生えていた
“猫耳”を。
ゴロゴロピシャーン!
ここで雷が鳴ったらいい感じになるなって思っただけです。
さておき。
この話を先に進めるためには
二十分程前まで時間を遡り
この日のバイト終わりに
何があったのかを知る必要があります。
真相編に続く。